COP10-生物多様性を考える~セミナー聴講

 今年は生物多様性年、折しも愛知県名古屋市で第10回生物多様性締約国会議所謂COP10が開催中である。11日から開催され、18日から本格討議27日からは各国閣僚級も出席していよいよまとめ段階と思われる。七国山を開催地としてグリーンキャンパス実施企業の緑地保全地域ボランティア団体として支援を行っている。その企業がCOP10で配付する資料の作成段階からお声を掛けて頂き、若干の意見や訂正をお願いして修正頂いている。COP10に図らずも関わりを持たせて頂いたということだ。

 この生物多様性を考えようというセミナーに参加した。東大院農学生命科学科教授武内和彦氏の講演と国際自然保護連合(ICUN)親善大使でもある歌手のイルカさんのトークショーという内容。

 武内氏はCOP10に関わっている名古屋を往き帰されているとのことだ。和歌山出身で、かの有名な備長炭を「祖父が焼いていた」そうで、泊まり込みで山籠りもあり、自然と親しんでこられたのことだ。同氏は「東京大学大学院農学系研究科修士課程修了、同農学系研究科博士課程中退。農学博士。東京都立大学理学部助手、同都市研究センター研究員、東京大学農学部助教授、同アジア生物資源環境研究センター教授を経て1997年、同大学院農学生命科学研究科教授に就任。2005年よりサステイナビリティ学連携研究機構副機構長、総長特任補佐(副学長)、国際連携本部長(~2008年6月)を併任。2008年7月からは国際連合大学副学長を兼務。 自然環境と調和した地域づくりを提唱しておられ、最近では、21世紀持続型社会構築のためのサステイナビリティ学の創生を目指して国内外の研究ネットワーク形成に取り組んでおられる。」

 更に学会活動 としては「1.日本造園学会(副会長)2.日本都市計画学会(会長)3.農村計画学会(顧問、元会長)4.環境情報科学センター(評議員) 、委員会活動として 1.中央環境審議会、委員2.日本学術会議、連携会員。」など活躍されておられる。

 氏は名古屋の前に愛知を入れるようにしているとのことだ。愛知県が半分出資しているのに愛知県を抜かして名古屋が出てくるのは愛知県が可哀そうという。政令指定都市の場合は県名は省略するのが慣例であり、新しく政令指定都市になった相模原市や堺市などは神奈川県、大阪府を入れるが、他は入れないのが普通だ。同氏は海外の人にもそれをアピールしているらしい。中には「アイチ」と発音できず「アイヒ」と発音する人もいるそうだ。気持ちは分かるような気がするが、神戸や横浜の場合、県関係者である「兵庫県」「神奈川」がそれを求めているのは知らないし、見たこともない。どうでもいいことではある。

 COP10が今年名古屋で開催される前に、昨年12月にCOP15がコペンハーゲンで開催されている。共通するCOPとは、締約国会議(Conference of Parties)の略称で国際条約を結ぶ国同士が集まって行われる国際会議という意味、様々な国際条約の国際会議ごとに「COP」が使われており、その後につく数字が国際会議の開催回数を示しているという訳だ。

 環境関連の国際条約国会議としては、ラムサール条約と気候変動枠組条約がある。ラムサールのCOP1は1980年イタリアのカリャリで開催、気候変動のCOP1は1995年にドイツのベルリンで、そして生物多様性条約のCOP1は1994年バハマのナッソーで開催されている。環境関連外での「砂漠化対処条約」「ワシントン条約」等の締約国会議でも同様のCOPの略称が使用されている。

 2002年にオランダのハーグで開催された生物多様性条約第6回締約国会議(COP6)で採択された、締約国は現在の生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させるという「2010年目標」の目標年にもあたる。名古屋で開催されるCOP10では、この「2010年目標」の成果を確認するとともに、「2010年目標」に続く新しい目標として「ナゴヤ・ターゲット」の採択が期待されている。次回は二年後2012年インド開催。

 生態系から見ると、種がどんどん絶滅していっている大変かことになっているのではないか。人類の成長存続が阻害されるのではないか、1992年にブラジルのリオ・デ・ジャネイロで開催された国連環境開発会議いわゆる地球サミットの場で各国の同意を取り付ける署名が開始された。

 こうした包括的な条約の必要性に関するアイディアは、さらにその10年前のIUCN(国際自然保護連合)第3回世界公園会議(バリ)の中で誕生し、1988年に当時のトルバUNEP(国連環境計画)事務局長の下に関係者が集まり、条約の起草作業が始まったものであった。

 生物多様性条約は3つの目的を掲げている。
  (1)生物多様性の保全、
  (2)生物多様性の構成要素の持続可能な利用、
  (3)遺伝資源の利用から生じる利益の公正で衡平な配分
である。これら3大目的のもとで、幅広いテーマを扱い、国や政府機関だけでなく、NGO(非政府組織)、先住民やローカルコミュニティ、女性、若者、地方自治体、民間企業など幅広いステークホルダーの参画を促しているのが同条約の特徴である。

 生物多様性の損失の原因は絶滅危惧種や保護地区にあるのではなく、人間の経済社会の仕組みの側にあり、経済、社会、文化といった人間社会の営み全体を持続可能な方向に向けていかない限り、根本的な解決は達成できないという基本的な問題意識が読み取れる。

 本条約は生物多様性という特別の領域の活動を扱うというのではなく、むしろ貧困問題、農業、林業、漁業、観光、貿易、都市、保健、教育、エネルギーといった既存のさまざまな分野に生物多様性の側面を取り入れるというアプローチが志向されているといってもいいだろう。

イルカのトークショーは頭だけ聞いて、場合によっては中途退出してもいいかと思っていたが、独特の語りとあの癒しキャラで結局終りまで聴講、舞台を去るの時は手を振って送っていた。国際自然保護連合の親善大使を務められているとのことで、外国へも出かけ活動されているとのことだ。

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